お金の話を、誰にも言えなかった


あなたはおかしくない。

お金のことで、誰かを傷つけてしまったことがある人。
誰にも言えないまま、ずっとひとりで抱えてきた人。

もしそうなら、この話を少しだけ聞いてほしい。


隠すことが、当たり前だと思っていた

子どもの頃から、うちではお金の話をすると空気が変わった。

「うちにはお金がない」「わがまま言わないで」——そういう言葉が、繰り返された。
だからいつの間にか、お金のことは言わない方がいい、と体で覚えた。

テレビでお金持ちの話が出るたびに、「ああいう人たちはきっと、ずるいことをしているんだ」という言葉も聞いた。お金を持つこと自体が、なんかいけないことのように感じていた。

家の中で、お金のことが原因で雰囲気が悪くなることもあった。

そうやって、「お金の話は怖いもの」「黙っておくもの」が、自分の中に静かに積み重なっていった。

誰かに教わったわけじゃない。でも、気づいたらそうなっていた。

そうやって、なぜそうなるのかを、深く考えようとも思わなかった。何も考えない方が、ずっと楽だった。


大人になっても、その感覚はそのままだった。

形は変わっても、やっていることは同じだった。苦しくても、誰にも言わない。知られたくないことは、うまく隠す。それが当たり前になっていたから、自分がそうしていることにも、気づいていなかった。

バレた日のこと

あるとき、大切な人に、ずっと隠していたことがバレた。

そのとき初めて気づいた。自分がどれだけ孤独にやっていたかを。そして、隠し続けることが、相手をどれだけ傷つけていたかを。

謝っても、何かスッキリした感じがしなかった。なぜそうなったのかが、自分でもわかっていなかったから。「意志が弱いから」「自分がおかしいから」——そう思っていた。でも、それだけじゃない気がしていた。


初めて、話せた

バレた日に、もう一つのことが起きた。

みっともなかった。自分という存在がすごく小さく見えた。でも——なんか、軽くなった気がした。

ずっと隠してきたことを、知られた。それでも、逃げずにそこにいてくれた人がいた。一緒にどうするかを考えてくれた。

それが、生まれて初めて「お金のことを話した」という体験だった。

恥ずかしい部分を知られること。そこから逃げずにいてくれる人がいること。それだけで、こんなに違うのかと思った。

ただ——心から話せる人を失って、また元に戻ってしまった。お金を浪費して、また少しずつ借金が増えていった。笑えない話だけど、そういうものだったと思う。でも、あの感覚だけは消えなかった。話せることで、何かが変わる。体がそれを覚えていた。


自分のことが、わかった

なぜ自分はああなったのか。なぜ繰り返してしまったのか。根っこがわからないままだった。

そのうち、あることをきっかけにワークをやってみた。自分のお金にまつわる記憶を、ただ書き出していくだけのものだった。子どもの頃に家族の中で無意識に受け取ったものが、大人になってからの行動を静かに決めている——そういうことに、初めて気がついた。

「知識を得た」という感覚じゃなかった。「自分のことがわかった」という感覚だった。

あ、だからか。と思った。

これは、私だけじゃなかった

自分のことがわかってくると、他の人の話が違って聞こえてくるようになった。

「お金のことだけ、なぜか誰にも言えない」「うちは昔から、お金の話をしない家だった」「借金があることを、大切な人に言えなかった」——そういう話が、思ったよりずっと多かった。

意志が弱いわけじゃない。知識がないわけでもない。

子どもの頃に、家族の中で無意識に受け取ったものが、大人になってからの行動を静かに決めていることがある。そしてそれは、本人が一番気づきにくい。

自分だけがおかしいんじゃない、と思えた瞬間が、一番楽になった瞬間だった。


そういう場所を、作りたかった

資格を取ったのは、知識が欲しかったからじゃなかった。二度と同じ場所に戻らないための、自分への約束だったと思う。

そしてその過程で、ずっと思っていたことがあった。

もっと早く、「話せる場所」があったら。バレる前に、誰かに話せていたら。「あなたはおかしくない」と言ってくれる場所があったら。

このサービスを作ろうとしたのは、「教えたい」からじゃない。お金のことで誰にも話せなかった人が、ちょっとだけ「自分のことがわかる」体験ができる場所を作りたかった。

そして一つだけ、大事にしたいことがある。いつかここが必要なくなる日が来たら、自由に卒業していい。依存させたくない、というのが、正直な気持ち。


お金の話を、ずっとひとりで抱えてきたあなたへ。

あなたはおかしくない。ただ、話せる場所がなかっただけかもしれない。

少しだけ、ここに立ち寄ってみてほしい。

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